カツオノエボシ紹介

 カツオノエボシの体は4つのポリプから成る。英語名の「Portuguese man-of-war(ポルトガルの軍艦)」は、海上に出ている一番上のポリプである気体の入った浮き袋(気胞体)が、帆を張った昔の軍艦に似ていることから付けられた。また紫がかった青色の浮き袋から「bluebottle(青いボトル)」とも呼ばれる。第2のポリプは触手の部分だ。長くて細い巻きひげ状で、長いものは50メートルにも達するが、平均は10メートル程度である。触手は毒を含んだ刺胞に覆われていて、魚やそのほかの小型生物を麻痺させて殺す。人間が刺されると患部に激痛が走るが、死に至ることはまれである。また、海岸に打ち上げられた死骸に触れると刺されることがあるので、注意が必要である。触手は筋肉を使って獲物を食体(消化を行うポリプ)へとおびき寄せる。第4のポリプは生殖の役割を担う。

 世界中の暖かい海洋に生息し、1000以上の大群になって浮かんでいることがある。独立した推進力を持たないので、波に乗って漂うか、浮き袋で風を受けて進む。水面で危険を感じると、浮き袋をしぼませて一時的に水中に沈むことができる。

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